消化器内科

「なんとなくお腹の調子が悪い」が続いていませんか?

以下のような症状が見られる方には、内視鏡検査をお勧めします。いずれも「ちょっと悪いだけ」と見過ごしてしまいがちな症状です。
特に50歳以上の方、何年も内視鏡検査を受けていない方は、一度ご検討ください。
また、当院では内視鏡検査による消化管検査だけではなく、超音波検査やCT検査を用いた肝臓や胆のう、膵臓を含めた腹腔内臓器の疾患の有無に関しても検査ができます。
お気軽にご相談ください。

  • 腹痛、腹部の不快感が続いている
  • 胸やけ、胃酸が上がる
  • 食欲がない、体重減少している
  • 喉がひっかかる
  • 身体を横にすると咳が出る
  • 頻繁な下痢、便秘
  • 下痢と便秘が交互に訪れる
  • 便が黒い、血が混じっている
  • 便潜血陽性(便に血が混じっていること)を指摘された
  • 大腸ポリープを指摘されたことがある

苦痛の少ない内視鏡検査が受けられます

当院の胃内視鏡検査では、鼻から挿入する細い経鼻タイプをご用意しており、経鼻・経口からのどちらかの挿入方法を選んでいただけます。
先端の細い経鼻内視鏡を使用しており、嘔吐反射もほとんど起こりません。
鎮静剤を用いてほとんど眠ったような状態で検査を受けていただくことも可能です。

院内感染の防止に努めます

内視鏡を使用するたび、日本消化器内視鏡学会が推奨する高水準の洗浄システムに通し、消毒・滅菌をしています。
また、使用する器具・道具はできる限りディスポーザブル(使い捨て)のものを使用し、院内感染の予防に万全を期しています。

予約から検査まで

  1. 受診の上、症状や内服薬の確認をし、検査日をご予約ください。
  2. 検査日前日は、夕食を夜の9時までに摂ってください。
  3. 検査日は、朝から絶食の上、水・お茶の摂取のみに留めてご来院ください。
  4. 少量の消泡剤を飲み、喉へ麻酔をかけます。
    ※必要時、点滴により鎮静剤を投与します。
    ※経鼻内視鏡の場合は、鼻へ麻酔をかけます。
  5. 内視鏡を挿入し、検査を行います。
  6. 検査結果説明を受け、ご帰宅いただけます。

胃内視鏡検査で見つかる主な病気

逆流性食道炎

胸やけ、胸の痛みなどを伴います。食道への胃酸の逆流を原因とします。内服、食事療法などで治療します。

食道がん

胸焼け、胸の痛み、熱いもの・刺激物を飲んだときの不快感を伴います。内視鏡検査による発見が可能です。

急性胃粘膜病変(AGML)

胃から十二指腸まで広い範囲に潰瘍が生じ、強い腹痛を伴います。ストレス、ピロリ菌感染などの原因が考えられます。

胃潰瘍

初期には胃もたれ、吐き気・嘔吐、胃痛などの症状を伴い、悪化すると胃に穴が開き出血することもあります。ピロリ菌感染を原因としている場合には、治療後の再発リスクが高まり、難治性潰瘍に進展することもあります。

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)

感染すると、胃炎を起こし、慢性化します。また、胃潰瘍や胃がんのリスクを上昇させます。内服治療により除菌をすることができます。

胃がん

早期にはほとんど症状がなく、次第に胃の不快感、胃痛などが現れます。早期発見のためには、定期的な検査が欠かせません。

アニサキス

サバの刺身を食べたときなどに胃壁内に侵入する寄生虫です。激しい腹痛、吐き気などを伴います。胃内視鏡による発見、除去が可能です。

十二指腸潰瘍

空腹時の上腹部の痛みが特徴的な病気です。十二指腸の壁は穴が開きやすく、出血を伴うこともあります。内服による治療、ピロリ菌が見られる場合にはその除菌で再発予防が可能です。

慢性胃炎

ほとんどの慢性胃炎は、ピロリ菌への感染を原因として起こります。その他、ストレス、加齢なども原因の一つとなります。
胃潰瘍や胃がんなどの病気への進展が懸念されますので、早期の治療が必要です。

静脈瘤(食道・胃)

食道や胃の粘膜を通る静脈が膨らんでいる状態です。肝硬変を主な原因とします。
大きく膨らむと破裂・出血のリスクが高まります。内視鏡により早い段階で潰しておく治療が有効です。

鎮静・鎮痛剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査が受けられます

大腸内視鏡検査では、ご希望に添えて鎮静剤や鎮痛剤を用いた検査が可能です。鎮静後に直腸から内視鏡を挿入します。ポリープ、早期のがんが見つかったときには、問題なければ検査時に切除することができます。

大腸ポリープは検査時に切除できます

大腸ポリープは、胃ポリープと異なり、大きくなるにつれがん化するリスクが高まります。当院では、大腸内視鏡検査で見つかったポリープ、早期がんを、問題なければその場で切除することができます。

完全個室の内視鏡準備室で下剤を飲むことができます

大腸内視鏡検査では下剤による腸管洗浄が必須となりますが、自身で下剤を飲むのが不安な方はトイレ・TV付きの完全個室で下剤を飲んでいただくことが可能です。

予約から検査まで

  1. 受診の上、症状や内服薬の確認をし、検査日をご予約ください。
  2. 検査日前日は、夕食を夜の9時までに摂ってください。
  3. 検査日は、朝から絶食の上、水・お茶の摂取のみに留めてご来院ください。
  4. ご来院後、トイレ付きの内視鏡検査準備室で下剤を飲んでいただき、3時間ほどかけて、大腸をきれいにします。
    ※自宅で下剤を飲んできていただくことも可能です。
    ※必要時、点滴により鎮静剤を投与します。
  5. 内視鏡を挿入し、検査を行います。ポリープが見つかれば、その場で切除していきます。
  6. 検査結果説明を受け、ご帰宅いただけます。
    ※大腸ポリープを切除した場合には、1週間程度、アルコール摂取や激しい運動は禁止です。

大腸内視鏡検査で見つかる主な病気

大腸ポリープ

自覚できる症状はほとんどありませんが、下血を起こすことがあります。胃ポリープとは異なり、大きくなるとがん化するリスクが高まります。サイズにより検査時にその場で切除することもできます。

大腸がん(結腸・直腸・肛門がん)

早期の自覚症状はほとんどありません。進行すると、腹痛、下血、便秘、腹部の違和感などが生じます。日本人には、S字結腸での発症がよく見られます。

大腸炎

下痢、腹痛、下血などを伴います。軽度のものであれば、内服・食事療法で治療が可能です。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜の炎症が潰瘍となった状態です。下血を伴います。大腸炎の段階で発見・治療しておくことが大切です。

クローン病

食道から肛門までの消化管で炎症・潰瘍を起こしている状態です。腹痛、下痢などの症状を伴います。

難病指定を受けている病気です。

痔核(ぢ)

肛門部に痛み、腫れ、痒みを伴います。悪化すると、出血、膿が出ることがあります。

虚血性腸炎

高齢者や便秘を抱える女性に多く見られ、突然の腹痛、下血などを伴います。大腸粘膜の結構が悪化し、炎症・潰瘍が生じている状態です。 腸の安静により1~2週間で自然治癒するケースがほとんどですが、壊疽型の場合は緊急手術が必要になることもあります。

大腸憩室症

大腸粘膜の一部が、外側に飛び出た状態です。早期には症状がありませんが、悪化すると下痢、軟便、便秘、腹痛などを伴います。憩室(飛び出た部分)の周囲に炎症が生じると腹膜炎を引き起こすこともあるため、早めの対処が必要です。

内視鏡検査で症状の原因が見つからないときは?

内視鏡検査では胃や大腸の病気は見つかりますが、お腹の中には消化管以外の臓器も多数あります。「胃が痛い」と思って胃カメラをしても胃に異常がないこともあります。例えば「胆石」による痛みも近い部位に痛みが出ます。
胃や腸の周りの臓器の異常かどうかCT検査を用いてお腹の中を全体的に見ることができます。

腹部CT検査で見つかる主な消化器疾患

膵臓がん

膵臓は胃の後ろにあり、胃痛や背中の痛み、食欲不振といった症状がありますが、他に特徴的な症状がないため、発見が遅れがちです。

急性膵炎

胃付近の強い腹痛・背部痛を伴います。アルコールや高脂肪食などが誘因となることが多く、重症化すると致命的となるため、原則入院治療が必要です。

自己免疫性膵炎

軽度の腹痛や背部痛を伴うことがありますが、無症状のことも多く、肝障害や黄疸(目や皮膚が黄色くなる)をきっかけに発見されることもあります。

膵石・慢性膵炎

慢性的なアルコール摂取や喫煙が原因で膵臓の組織が壊れる病気です。慢性的な腹痛や食欲不振を生じます。

肝臓がん

進行するまではほとんど無症状です。以前はアルコール性肝硬変やB型肝炎などの肝炎ウイルスによる肝硬変から進行する方が多かったのですが、近年では脂肪肝由来の肝硬変・肝臓がんが増えています。

肝硬変

アルコールや肝炎ウイルスにより肝臓の組織が壊れた状態です。肝臓がんのリスクや腹水・黄疸などの症状を伴う場合があります。

胆石症・胆のう炎

胆のう内の結石が細い部分にはまり痛みを生じます。みぞおちや右わき腹から右背部に痛みが出ることが多いです。胆のう炎に進行すると発熱を伴い、入院での抗生剤治療や手術が必要となります。

胆管結石・胆管炎

肝臓・胆のうにつながる胆管内に結石がはまり、腹痛や黄疸・肝障害を生じます。胆管炎を生じると敗血症に移行しやすく致命的になることがあるため早期の治療が必要です。

胆のうがん・胆管がん

膵臓がんと同様に見つかりにくい癌の一つです。腹痛や食思不振、黄疸などの症状から見つかることがあります。

小腸腫瘍

頻度の多い病気ではありませんが、小腸にも小腸癌やGIST、小腸原発のリンパ腫といった腫瘍ができることがあります。

クローン病

小腸や大腸に炎症を生じ、腹痛や発熱、下痢、血便の原因となります。10代や20代の若年者での発症が多く、治療が遅れると穿孔(腸に穴が開く)することがあります。小腸クローンは内視鏡では発見できないこともあり、総合的な検査が必要です。

進行胃がん・進行大腸がん

早期胃がんや早期大腸がんは内視鏡検査でしか見つけられませんが、進行するとCT検査でも見つかることがあります。CT検査で見つかる場合は、早めの治療のために迅速に高次医療機関へ紹介します。

結腸憩室炎

腹痛の原因として頻度の多い病気です。大腸の憩室という部分で細菌が繁殖し炎症を起こした状態です。悪化すると穿孔し腹膜炎を来すことがあります。

虚血性腸炎

主にS状結腸や下行結腸といった、左側腹部から下腹部にかけての結腸で一過性の虚血により生じる腸炎です。腹痛と下痢・血便を来します。