起立性調節障害(起立性低血圧)

急に立ち上がったり、長時間立っている時に、失神、めまい、冷や汗、吐き気、脈拍があがるなどの症状は、医学的には「脳貧血」という言葉は使わず、「起立性調節障害(起立性低血圧)」と言います。思春期のお子様や、若い女性に多く見られます。
難しいメカニズムはここでは省略しますが、症状は午前中に強く、午後には軽くなるのが特徴です。お子様の場合には、夜になると会話をしたり、テレビを見たり、スマートフォンを操作したりして楽しむ様子が見られます。ところが、また朝になると体調が優れず、学校を休みがちになるので、周りからは「怠けているのでは」と誤解されることも多いようです。小学校高学年全体の約5%、中学生は全体の約10%の子どもが発症するといわれる、非常にありふれた疾患ですので、まわりが正しく病気を理解し、治療に協力してあげることが大切です。
日常生活における改善策を試しながら、成長とともに自然と回復する場合が多いですが、症状が強い場合には内服薬や漢方薬などを試してみる場合もあります。当院では、他の病気(脳神経疾患、不整脈、貧血など)がないかを、診察・検査等で慎重に除外したうえで、一人一人にあった治療法を提案いたします。