「糖尿病」と診断される基準は?
糖尿病は、主に血糖値とHbA1cの値で判定します。
「HbA1c」とは、過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均値を反映する指標です。
「血糖値」は血液中の糖分量を表します。食事の影響を受け大きく変動します。
- HbA1cが6.5%以上 (HbA1cの正常上限は6.2%)
- 早朝空腹時の血糖値が126mg/dl以上
- 好きな時に計測した血糖値が200mg/dl以上
- 経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が200mg/dl以上
上記の①~④のいずれかに該当すると「糖尿病型」と判定、別日にもう一度該当すると「糖尿病」と診断します。HbA1c・血糖値ともに高い場合や、症状や合併症がある場合には1回で「糖尿病」の診断になることもあります。
糖尿病で出てくる症状は?~糖尿病チェックリスト~
糖尿病で多く認められる症状をいくつか挙げました。「糖尿病かも」と不安な方はチェックしていただき、当てはまるものがあれば、お気軽にご相談ください。
- 尿の回数・量が多い
- 喉が渇きやすい
- 食べているのに体重が急激に減る
- 疲れやすい
- 足先のしびれ、砂利を踏んでいる感じや、紙が一枚はさまっている感じ
- 手足の痛みや熱に対する感覚が鈍く、怪我ややけどに気づきにくい
- 異常に汗をかく、または暑いのに汗をかかない
- 性機能の問題(ED)
血糖値が高いと何が問題?
高血糖がつづくと血管を傷つけ、血管障害・動脈硬化が進行し様々な障害が生じます。特に問題となるのが三大合併症といわれる、網膜症・神経障害・腎症です。
①糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が続くと目の網膜にある細い血管が詰まることで網膜症を起こします。糖尿病を放置していると10年間で30%・20年間で70%の方に網膜症が発症し、進行すると失明に至ることもあります。早期発見・治療のために、眼科での定期検査を継続する必要があります。
②糖尿病神経障害
3大合併症のなかで一番早く発症し、末梢神経と自律神経を障害し様々な症状を引き起こします。手足のしびれや痛み、手足の先の感覚が鈍くなる、発汗異常、立ちくらみなどの症状がみられます。重症化すると足の皮膚に壊疽(糖尿病性壊疽)を起こす原因となります。
③糖尿病腎症
腎臓は尿を作る重要な臓器であり、毛細血管が密集しています。高血糖が続くと血液の濾過機能が障害され、進行すると腎不全を起こし血液透析が必要になります。糖尿病腎症は日本における透析導入第1位の原因疾患であり、患者数は年々増加しています。
検査の数値がどのくらいになったら受診が必要?
まず、空腹時血糖が126mg/dl以上の方、HbA1c 6.5%以上の方は必ず受診が必要です。
空腹時血糖が110~125mg/dlまたは、HbA1c 6.0~6.4%の方は糖尿病型の可能性があるため検査や生活習慣指導を受けることをお勧めします。