貧血

「貧血」は少し説明が厄介で、医療従事者にとっての「貧血」と、一般的に使われる「(脳)貧血」とは全くの違うものなのです。 医療従事者がいう貧血とは血液中の赤血球が不足していることを意味します。貧血には色々な原因がありますが、一番多いのは、鉄欠乏性貧血です。赤血球を作る材料(鉄)が不足しているために、血液の流出(女性の場合は月経、高齢者の場合はがんだったりします)に赤血球の製造が間に合わなくなった状態です。
症状は、体を動かしたときに息切れや動悸、頭痛、めまい、立ちくらみ、疲れやすくなるなどの症状が見られます。また鉄が不足することで、爪が割れやすくなる、唇の端や舌に炎症が起こる、氷などを無性に食べたくなる、髪が抜ける、肌が荒れるなどの症状が見られることもあります。
治療は、第一に原因の治療です。月経過多や子宮筋腫が原因であれば婦人科を受診していただき、胃や腸からの出血が疑われる場合は消化管内視鏡検査を検討します。その上で、鉄剤の内服を改善するまで継続します。