肝硬変

肝臓の炎症が続き、その機能を十分に果たせなくなった状態です。肝臓でがんが発生するリスクが高まる他、食道や胃に静脈瘤が生じる方もいらっしゃいます。静脈瘤は破裂すると大出血を起こし、ときに命を脅かします。
肝硬変は、症状がほとんどない「代償性肝硬変」と、腹水や黄疸によって日常生活に支障をきたす「非代償性肝硬変」に分けられます。
多くの肝硬変が、C型肝炎、B型肝炎、アルコール性肝障害を原因としています。
C型肝炎を原因として代償性肝硬変を起こしている場合には、インターフェロン治療、内服による治療で改善が可能です。
B型肝炎を原因としている場合には、ウイルス増殖を抑える核酸アナログ治療による改善が可能です。
アルコール性肝障害による肝硬変は、断酒以外に有効な治療法がないのが現状です。
近年、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の内服によって肝硬変の予後が改善することが明らかになりました。血中アルブミン値が低下している肝硬変の方は、分岐鎖アミノ酸製剤の内服が有効だと思われます。